2009年10月アーカイブ

 会津若松を出ると、いよいよ只見線に入る。列車は稲刈りの終わった会津盆地を進む。会津坂下あたりまで来ると、只見線のローカルな世界に入り込んでいた。この駅でタブレット交換を撮ろうと急いでドアを出るが、タッチの差で撮り逃す。交換は一瞬で済んでしまっていた。列車が完全停止してからドアを手で開かねばならないが、そのドアが結構重くてタイムロスがあるのだ。次のチャンスは会津宮下。先頭車両は鉄な人たちの他に団体で乗り込んだおじさん、おばさんグループが宴会状態を繰り広げており、ちょっと異様な雰囲気。ドアの前にシートを敷いて酒盛りになっているので、会津宮下が近づくと早めに席を立って、ドアの前に立った。絶対逃さない意気込みだが、後ろから手が伸びてドアのレバーを握っている。同じく会津坂下でミスして目が血走った鉄ちゃんだ。無言で視線を合わせると「ドア、開けられますか」と訊くので頷くとやっと手を離してくれた(笑)。会津宮下に着いた。今度はダッシュでキハの先端部分に位置決めした。と、後ろから「構えているのに前に出んな」の声。その声に振り向くと周囲はタブレット交換狙いの撮り鉄の男達がずらり。のんびり列車から降りて来た、ほろ酔い加減のおじいちゃんが「停車時間、1分しかないよ」「もう出ちゃうよ」と大合唱を浴びせられていた。これにはこっちも焦った。ここ一番ってシーンを前に厄介払いしようってわけだ(笑)。まあ、その心境は分からないでもないが。しかし、おじいちゃんにしても乗客なわけだから。酔いを醒まそうとホームに立つのも自由な筈だ。内心反発を覚えながら「交換が済まない内に出るわけないよ」と呟く。ここではタブレット交換は儀式のように進んで無事に撮影することが出来た。


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 只見線は予てから一度は乗ってみたいと思っていたが、果たせずにいた。24、25日の両日、新潟発で磐越西線・只見線をぐるっと一周して新潟に戻る「磐西・只見ぐるり一周号」の存在を知り、強い興味を抱いていた。しかし二週連続して谷川岳に行っているし、それも新幹線利用と費用も掛かっているし、どうしたものかと思っていた。それとは別に、日経の別刷りで「写真家が選ぶ紅葉の美しい渓谷」の東日本のベスト5にも入っている山梨の西沢渓谷にも行ってみたいな、と思っていた。「七ツ釜五段の滝」は有名だ。しかし、直前の天気予報で雨とのことで、この方面を断念。一方、只見線の新潟・福島方面は晴れ予報が出ており、こちらに気持ちが傾く。会津宮下あたりに泊まって、有名な「第1只見川橋梁」から撮影するプランも立てたが、只見線は一日何本も本数がなく、その後の足がない。鉄道利用ではかなり苦しい。只見線は車抜きでは計画が立てられない。それで、今回は「乗り鉄」に絞ることに。列車の遠景は無理だが、紅葉を背景に国鉄色キハ車両の表情を切り取ることが出来れば。新潟からの始発に間に合うためには快速「ムーンライトえちご」の利用が便利。全席指定席なので24日も夕方になって急ぎ中野駅の「みどりの窓口」に向かった。「ムーンライト信州」ではしくじったが、これはゲット。23時10分の発時間に合わせて新宿駅5番ホームに立った。


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一ノ倉沢(後編)

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 午後1時30分頃にはロープウェイの土合口駅前で水上行きのバスを待っていた。14時発の関越バスを待つ乗客が既に列をなしていて、乗れるか危ぶんだが、やがて水上駅直通の臨時便が出て、これに乗車出来た。残りの人は上毛高原行きに乗る人たちだ。土合駅の直前、上越線の上り線が通るトンネルが目に入った。そのトンネル出口の山肌は紅葉に覆われ、例えようもなく美しい。「ここから出て来る列車を撮りたい!」と思わず口から出掛かったほど。しかし、次の上り線がやって来るのは15時31分だ。これを撮れない事情があった。それは水上駅を15時20分に出る上りの「SLみなかみ」号を撮らねばならないから。今回の一ノ倉沢行きの、もう一つの目的がこれだったのだ。相変わらず、盛り沢山の内容(笑)。紅葉が始まった諏訪峡を走るD51の勇姿を捉えたい。下りは12時04分に水上着だが、これを撮っていると一ノ倉沢を撮るのが難しい。不可能ではないが、山の写真を撮るなら早い時間に越したことはない。事実、もう1時間早く一ノ倉沢に辿り着いていれば青空バックの断崖を撮ることが出来た筈だ。バスが水上駅に近づくと、白い煙を吐いて停車中の懐かしい車体が目に入って来た。


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一ノ倉沢(前編)

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 前週、谷川岳に登頂はしたものの、帰路に寄りたいと思っていた一ノ倉沢は時間的に無理だった。マチガ沢周辺の紅葉もまだで、おそらくは次の日曜あたりが見頃と思えた。その日曜、またしても来てしまった(笑)。物好きというしかない。
 丸ノ内線始発に乗って、新宿から埼京線、高崎線と乗り継いで鈍行路線を行こうと考えていたが、新調した登山靴(前のは谷川岳下山中に底が剥がれてしまった)を履くのに手間取り、乗り遅れ。次の地下鉄の車中で「埼京線は事故で不通」とのアナウンス。急遽、東京駅か上野駅から新幹線、または在来線特急で行くことに変更。手元に時刻表がなく、上野からの「水上」の発時間が判らず、とにかく上野まで行ってみることに。東京駅発の上越新幹線も上野から乗車出来るという計算で。駅員に尋ねたところ、「水上」の一番早いのは9時頃というので(後で誤りと判明)、結局新幹線に乗ることに。この過程で、在来線特急用ホームに急行「能登」が停車しているのを発見。JRに唯一残る、長いボンネットの489型は予てから撮りたかった被写体。迷わず数枚撮影。附近には小学生も群がっていた。


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紅葉・谷川岳

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 紅葉の涸沢を見たかったが、10日発ムーンライト信州の予約を取り損なって、結局涸沢行きはボツということに。しかるに山行きの思い断ち難く、結局上越線一本で行けてアクセスのよい谷川岳に行ってしまった。土曜の深夜から準備を始め、完徹に近い状況ながら、途中うつらうつら寝たりしている内に朝に。慌てて出掛けるも、7時8分発の「とき305号」に間に合うギリギリのタイミングで丸の内線に駆け込んだ関係でATMで現金を引き出せず。まあ、上毛高原駅か谷川岳ロープウェイで何とかなるかと思いつつ、東京駅の乗車券売り場で往復乗車券と往きの特急券を購入。復路は在来線特急か、あるいは鈍行でゆっくり帰ってもいいし。往路、上野駅から「水上1号」で行けば安いけれど、着時間が1時間違うので。山ではその差が大きいかもと。これら全てが伏線を張りまくりということに(笑)。


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千畳敷の紅葉

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 大雪山あたりの映像を見るにつけ、この秋は高山の紅葉をどうしても撮りたくなってしまった。候補として浮上したのは涸沢、谷川岳、千畳敷など。涸沢はもっとも惹かれたのだが、上高地から徒歩6時間というアクセス面に難があった(それだけ秘境ともいえる)。天神平は上越線一本でアクセスはいいが、まだこれからというので結局去年も登った木曾駒ヶ岳の千畳敷カールに決定。今回は新宿から高速バスで。新宿高速BTでのみ購入出来る「千畳敷カールきっぷ」を利用すれば高速バスの往復乗車券に駒ヶ根〜しらび平往復バス券、それに駒ヶ岳ロープウェイの往復券までついて10,000円(大人)だ。4日の日曜日、朝7時発のバスに乗って新宿を発つ。小淵沢ICを過ぎた直後、一瞬現れる樹林の切れ目から小海線の大カーブを撮った。


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富山市電

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 JR富山駅前を走る市電。E-P1で撮影。

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