2012年2月アーカイブ
CP+開催の日。カメラの展示をチェックしてから、中華街で昼飯を食べその後元町に足を運ぶ予定でいた。しかし、初日の一般入場は12時からというので先に元町で写真を撮ることに。機材はOM-2SPと50mm/1.4を選択。白黒にするか迷った末、カラーネガフィルムで撮ることに決定。色鮮やかな通りの風景も撮ってみたい。元町はずいぶん久しぶりで、昔よく通ったキャラバンコーヒーのショップや元町ユニオンが健在で嬉しかった。キャラバンコーヒーで赤い保存缶を購入。その後、中華街の場末の店で安いランチを食べる。ボリュームが凄くて完食にひと苦労。元町中華街駅からみなとみらいに戻ればよかったが、あんなに混んでいるとは知らないので(オリンパスブースで配っているFotoPusのTシャツを貰い損ねてしまった)。
せっかくなので関内駅まで歩き、伊勢佐木町のモールを撮影。子供の頃から聖地だった有隣堂本店は相変わらず堂々と聳えていた。通りの反対側にあった横浜松坂屋は2008年10月に閉店。地上7階建て、地下1階の白亜のアール・デコ調建築を保存するべく(「横浜歴史的建造物」に指定)横浜市も強く働きかけたものの、大丸などを傘下におくJ.フロントリテイリングによって解体撤去されてしまった。当初、建物の外壁は残すという話だったが耐震問題など持ち出されたらどうしようもない。跡地には「カトレヤプラザ」という3階建てのショッピングセンターが建設され、撮影の前日オープンを迎えていた。外壁の一部にアール・デコを意匠するのみで大正・昭和の歴史を継承するには至らなかった。
本日から神田小川町のオリンパスプラザ東京でOM-Dの先行展示が始まったのを受けて、さっそく出かけてみた。平日の午後ということで展示機3台をいじっている人の後に並んで3番目くらい。CP+の気が遠くなる行列とは大違いだ。実際に持つと軽い。小さい上に軽いのでバッテリーホルダーHLD-6をつけていてちょうどいい感じだ。EVFは鮮明で被写体の視認性は高い。3種類の表示スタイルからOMスタイル1を選択。下部に現れる青いLCD表示はなじみのあるものだ。標準ズームの12-50で撮った限りではAFも速くて小気味いい。連写性能はマイクロフォーサーズでは考えられない高速。E-5の秒5コマを凌ぐ9コマだ。倍速くらいに感じられた。うーむ、これで明るいズームだったら。電動ズームはちょっとまだるっこい感じはするもののスムーズだ。手動より電動で使いたくなるだろう。いっそ単焦点で撮ってもいい。レンズ交換型のカメラなのだからズームレンズが必須というわけでもない。もともとF2通しの高性能レンズがOMのウリだったのだから。手ぶれ補正が進化し、高感度ノイズも大幅に減少というのだから悩ましい。すでに揃えたFTのレンズを、やがて来る(のか?)小型FTのボディで使えればいいと思う。
内房線を疾走するC6120の勇姿。現役引退後、伊勢崎市華蔵寺公園遊園地に静態保存してあった機関車が多くの人の努力で復元され、再び乗客に夢を与えている。廃止されるブルートレインがある一方で、不死鳥のように甦る命もあるのだった。
1912年に開通した内房線(蘇我〜木更津)と久留里線(木更津〜久留里)は2012年に100周年を迎える。その記念として「快速SL内房100周年記念号」が(京葉線)千葉みなと〜木更津間で運行。日程は2月10、11、12の各日。土曜日、これを攻略すべく出動。千葉みなと〜蘇我間は海岸沿いだから内陸側の高所から俯瞰で海バックに撮れたらなんて妄想したが、そんな都合のよいポイントも見つけられず定番スポットの出洲港(でずみなと)の南側に移動。既に数十人の撮影者が場所取りしていたが、時間を追って増え相当の人数になった。高架を見上げるように撮るので台車部分が隠れるのが難点だが、漁船を前景に入れ込む面白さも。機関車は上越線で復活したC6120だ。
シャッター音が漁港に響き渡り、緊張の時間が過ぎると本千葉駅を目指して歩く。SLは姉ケ崎に13時46分着だが、歓迎式もあって15時05分発なので追っかけようというわけだ。姉ケ崎駅のホームは大変なことになっていた。機関車には近づけない。混乱を抜け出して後部の旧型客車をチェック。嬉しいことに最後尾の客車は座席も窓枠も木製ニス塗りというレアなもの。なかなか出会えないスハフ32-2357だった。これを撮影してから14時04分発の快速に乗車。今度は袖ヶ浦に先行して迎撃というわけ。内房線で撮るなら巌根〜袖ヶ浦間しかないだろうと見当をつけていた。思いを同じくする人々が続々と歩いて行く。ひとしきり歩いた田圃のあたりがポイントだが・・・びっしりとカメラの放列が敷かれていた。これはちょっと怖い(笑)。機関銃座が敵を待ち構える格好。15時20分頃、汽笛が近づいて来た。一斉にシャッターが切られ、連写音が轟く。何という高揚感。やがて夕陽を浴びて記念号が去って行く。女の子が手を振っている。
今年のCP+は直前にニコンやオリンパスの新機種発表もあって大盛況の様子だ。OM-D以外に注意を引いたメーカーや商品といえば、富士のX-Pro1だがここもタッチ・コーナーは40分待ちというので実機には触れなかった。見たところボディサイズはいい感じだ。あまり小さくてもボタン類の操作に困るから。レンズの質感もそそるものがある。ニコンのD4やD800は人が密集、側にも寄れなかった。ケースの展示を撮るしかない。PENTAXのK-01は手に取っていじってみたが悪くない。デザインも秀逸だしKマウントレンズがそのまま使えるのもユーザーにやさしい。SONYのNEX-7は機能と軽量さでアピール。PanasonicはGシリーズのレンズに欲しいものがいくつかある。SUMMILUX 25mm/1.4や8mm/3.5など。GX1Xに装着したのを試した。AFは噂通りに速い。カメラ以外ではPOLARIEの登場でポータブル赤道儀も熾烈な競争が始まった。ビクセンはポラリエにオプショナルパーツを用意。一方、TOASTはTOAST-HDで迎え撃つ。
今年もCP+が開幕。初日の一般入場は12時からというのでOM-2SPで元町を撮影、時間をつぶしてから会場のパシフィコ横浜へ。ところが入場者の長い行列が。どうしちゃったんだろう、こんなの見たことない。呆気に取られるもとにかく並ぶしかない。直前に発表されたOM-DやD800それに富士のX-Pro1が動員に拍車をかけたのだろうか?
30分近く並ばされて入場。オリンパスのブースに急ぐもEステージはすでに佳境。タッチ&トライのコーナーに並んだが、最低40分待ちという説明に断念。来週にでも小川町で触って来るとする。ケースに収まったEM-5を撮影しつつチェックするのだが。えらく小さいな。今日はOM-2でOM-Dを撮ってやろうという魂胆なのだが、それと比べても小さい。OM-Dはあくまでマイクロフォーサーズ機なのだ。プロ機でもない。それでいて持てる限りの技術を注ぎ込んでOM-Dの名を冠した。にも関わらずEM-5の機種名がついているところに迷いというか微妙な空気を感じた。
去年の暮れから追いかけているダイヤモンド富士。国土交通省関東地方財務局の「関東の富士見百景」などを参考に選んだターゲットは文京シビックセンター。25階の展望台から360°のパノラマを楽しむことが出来る。この日は富士山の日(23日)ではないが富士の日で日没は17時09分。1時間以上前に現地に着いたが、すでに絶好のポジションは占められていた。少しだけ離れるけれど撮影場所はまだまだある。定刻まで俯瞰の構図で撮ったりして時間を潰す。撮影者の数はどんどん増えて、百名を軽く超える気配。やがて陽が傾いて、新宿の高層ビル群の彼方がオレンジ色に染まっていく。今日は雲に覆われることもなく、ピンポイントで山頂に日が落ちて行く。やっとのことでリベンジを達成。暮れなずむ東京の全景が体を包んでいった。