2010年9月アーカイブ
紅葉の季節がやって来た。去年は10月4日に木曾駒ヶ岳に登ったのだが、千畳敷カールの紅葉は既にピークを過ぎていた。その反省から、今年は早めに出撃することに。行き先は、憧れの涸沢だ。涸沢となると、山小屋一泊とはいかず、夜行で行っても二泊三日という日程になってしまう。数週間前に予定を申告する関係で、紅葉の進行とシンクロしない場合もある。今年は猛暑の影響で涸沢の紅葉も遅いと知っていたが、今更延期も出来ず予定通り出発することに。24日、新宿発のムーンライト信州の指定券を持っていたが、予期せぬトラブルにより、乗り遅れてしまった。仕方なく、翌朝中野駅4時43分発の鈍行高尾行きに乗車。大月、甲府で乗り継ぎ9時21分、松本着。松本電気鉄道の上高地線ローカル列車に揺られ、新島々へ。
彼岸が近づいて、曼珠沙華と列車という感じで何か撮りたいものだが、今年は猛暑の影響で有名な巾着田でもあまり花がついていない。それでも田舎道には早咲きのが1本くらいはあるかと思ったが、目指した秩父路でも全く見当たらなかった。池袋から東武東上線で寄居へ。寄居駅で出発して行くパレオエクスプレスを撮ろうとE-3を構えたが、何とメモリーカードが入っていない。そうだ、前夜CFを出してPCに読み込むつもりでいて、そのまま寝込んだのだった。
先週末に引き続いて、午後から京浜島つばさ公園を訪れた。目的はRW16Lへのアプローチで、海保のブルーイレブン(JA8701)を撮るため。JR東京駅に向かう途中、ビルに映る車体を眺めるとオレンジの全面塗装だ。はっとする。うかつにも乗車時気づかなかったが、廃止される201系だった。中央線快速で現役とは知らなかった。
E-5が発表となり、神田小川町のオリンパスプラザで先行展示されるというので、とりあえず駆けつけてみた。E-5といってもE-3と比べ目覚ましい進歩があるという印象でもなく、E-3のマイナー・バージョンアップという感じだ。これはマイクロ・フォーサーズの(意外な)大ヒットがもたらす経営方針の変化と無関係じゃない。つまり、開発リソースをMFに傾注するために、従来のFTのE-xxx系はディスコンになるらしい。MFの画質に満足できない層、E-xxとE-x系ユーザーの受け皿としてFTも開発継続するらしいが、E-5をもってFTの最終機種という噂もちらほら聞く。E-3発表時の、開発陣の熱狂が伝わってくる興奮を知る者としては、空気の違いを肌身で感じる。
新発表となったE-5の変更点としては、ローパスフィルターの改良による解像感の向上、HD動画とアートフィルターの搭載、3型VGAフリーアングル液晶モニターなどがある。アートフィルターは新しく「ドラマチックトーン」が加わった。いずれも地味というか地道な改良を施した、といった感じだ。ニコン、キャノンの2強を始め、ソニーやペンタックスあたりの攻勢を受けて激戦の中、この程度の変更でフラッグシップを謳うのは、正直苦しい。以前、銀座のニコンのショールームでD300を触った時の衝撃を忘れない。機械として、工業製品としての完成度の高さに舌を巻いたものだ。高感度にも強く、薄暮の鉄道撮影などには絶対的にアドバンテージがあると見た。自分がプロで仕事で使うならニコンを使うだろう。遊びで、趣味で使う領域だからオリンパスを使い続けている。
E-5には正直、萌えない。しかし冷静な計算として、レンズ資産を持ち続けるなら最後の投資をする道もアリだと思う。システムを全部売却してニコンに乗り換えるまでの決心はついていない。Zone-10でE-1をコラージュした写真を見て、これこそ欲しかった物だと感じた。デザイナーは何でこんな設計が出来ないのかなと思う。
9月20日の「空の日」関連のイベントとして、羽田空港では施設の公開などを含むフェスティバルを開催。11日、12日の日程だが「航空機及び空港車両展示会」は12日のみ。これがメインターゲットだ。その理由は、国産初号機のYS-11の展示が行われるため。これは政府の事業仕分けで、国立科学博物館が保有したまま約11年間も一般公開がなかったことに批判が及び、活用を求められたことによる。新国際線会場にはモノレールの天空橋駅からバスが出ている。駅を出てまず目に入ったのは保安庁のYS-11が駐機してある光景。何を措いても撮るべく、金網に駆けつけた。
RW16Lは羽田空港の滑走路を方位で表したもの。C滑走路の運用で南風の時、着陸用にRW16Lが使われ、北風の時、離陸用に逆方向のRW34Rが使われる。羽田周辺では京浜島つばさ公園が有名な撮影スポット。アクセスはJR大森駅または京急平和島駅からバスが出ている。駐車場も自販機、トイレもあり。
富士登山では、荷物に三脚と銀塩カメラがあった。山頂まで担ぎ上げるには荷が軽い方が楽だ。今迄せっかく持って登っても、雲に覆われたりして撮れた試しが殆どないだけに迷ったが、持って行って正解。富士山五合目は天体写真のメッカだけれど、さらに上の八合目の山小屋付近で撮影出来た。まずは、裾野の富士吉田市街の夜景から。宿の「元祖室」から少し上の登山道脇に三脚を立てて、撮影してみたのだが。参ったのは、日没後もヘッドランプを装着した登山者が切れ目なく登って来ることだ。もっと上の山小屋目指して、引きも切らずにやって来る。北天の星野に向けられたOM-2SPと28mm F2.8で固定撮影中も、せめて5分はバルブ撮影したいが、1分おきくらいの頻度で登山者がやって来る。懐中電灯やヘッドランプの光が入らないよう、その度にレンズを手で覆わねばならなかった(笑)。そのため綺麗な弧を描かず点と円弧になったりしている。これは富士山以外の山では考えられない。普通は山小屋で日が暮れたら、そこから登る者は誰もいない。特に山小屋が多い吉田口特有の現象かも知れない。
フィルムは、この日のために用意したフジの「プロビア400X」(1段階増感)。粒状性もかなりいい。今後の課題はデジタルでの撮影。コンポジット合成するなどしてノイズを取り除けば、フォーサーズでも何とかいけるかと。
☆
山に登り始めてから、いつかは行きたかった富士山。心の隅にありながら「長時間ひたすら登るだけ」という話を聞いて決断しかねていた。しかし、前回白馬で標高差1,600Mをクリアしたことから、これなら富士山もいけるのではという気がしてきた。アクセスのいい吉田口(河口湖)ルートなら五合目から1,400M強で山頂に至る。NHKの「趣味悠々」で田部井淳子さんがルー大柴を指導、高尾山から金時山、谷川岳、木曾駒ヶ岳、燕岳を経て富士山のゴールまで案内していたが、結果的にそれに沿った形で谷川岳、木曾駒に登っており、加えて燧ヶ岳、白馬などの経験からステップアップして来れたように思う。