古民家とカワセミ(高麗郷)

 あいあい橋を戻って、乗馬クラブの横を通って川沿いに歩いた。気温は高いし日差しもきついので高麗川の清流にダイブしたい欲求に駆られる。天神橋の下をくぐって地上に出ると、高麗郷古民家だ。新井家の旧宅は堂々たる構えで江戸時代の文化、文政、天保時代は名主を務めたという。母屋は江戸から明治、客殿は明治時代の建築と考えられている。平成5年に瓦葺きに改修されるまでは茅葺きだったらしい。

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 再び管理事務所の前を通って川原へと下りた。数カ所に分散して七、八人ほどいた、鳥撮りの人の姿が消えていた。昼時分でもあるので、まつり会場の方に行ったのかも知れない。家族連れがあちこちで水遊びしていた。機材をE-5と50-200に変えてカワセミ撮影の体勢。通いつめればポイントが分かるのだろうが、ヤマカンで場所を決め、待ちに入る。暑いので日陰を選ぶしかない。川には小魚の姿が見えているのでどこから飛んで来ても不思議ではない。やがて、段差のついた瀬の辺りが確率的に高そうだと気付く。川漁師がよく梁を仕掛けるような場所だ。それにはちょっと上流の堰がよさそうだ。

 堰の近くに位置決めして待つと、セキレイやキセキレイが餌を求めて水面を飛び回る。カワセミも来た!独特の羽根を振るわせて滑空する。あまりに素早いのでフォーカスしきれない。やっとのこと飛翔を連写するも、画像の中では小さい。テレコンもつけて35mm換算で最大560mmになるが、この画角では飛ぶ鳥は捉えきれないので、広い範囲をカバーしがちになる。ずいぶん粘っても中々思うような絵にならず、もう諦めて帰りかけたその時、奇跡的に30メートルくらい先に止まってくれた。ここぞとターゲットを連写。感謝したい気分になった。そのまま連写を続ければ飛び立つ瞬間も撮れるはず。そう思った瞬間、帽子がじゃまでつい手で払った。と同時にカワセミの姿は消えていた。

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