ネモフィラ

 ネモフィラといえば国営ひたち海浜公園が有名で、この時期ともなれば丘一面が青い絨毯のような彩りになるのだが。こういうご時世であるから、遠出なんて思いもよらない。せめてストックがないかと、過去の画像からネモフィラを探してみると、2019年5月に横浜の「港の見える丘公園」で撮影したのがあった。イングリッシュ・ガーデンの一角であるから、群を抜いて目立つものではないが、それでもネモフィラらしい青い花弁が美しい(その後東京でもネモフィラを撮影して追加)。

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C.W.ニコル逝く

 「空から見ると、丘の上を行く人影が一つ。後ろの雪の上にまがりくねった足跡が続いている。その姿は果てしないツンドラ(永久凍土)の上では、ポツンとした、一つの黒点に過ぎず、雪に残した足跡は生きてうねる長い尾に似ている。若い男であった。十八歳、広い肩幅、青い瞳、イヌイット族のカリブー皮のパーカを着ているが、ズボンとブーツと眼鏡は白人のものであった。汗の滴が、若者の顔にかかる柔らかい金髪にこびりついて、白く凍っていた。太陽のまわりには氷晶による暈がかかり、幻日が三つ、暈の縁にキラキラ輝いている。春の日光を浴びても、雪のクラスト(雪殻)はまだ固く、その日、その日の温度の違いにつれて結晶の形が変わった。起伏するツンドラの丘をおおって、雪は冷たく光っていた。」

3日に亡くなった作家C.W.ニコル氏の代表作、『ティキシィ 』の第1章からの抜粋である。ニコルさんのファンであったから、かなりのショックだ。近年露出が少ないことを気にしていたが、直腸ガンであったという。死因もそれで、この時期だからひょっとすると新型コロナウイルスに感染かと早合点した。『ティキシィ 』はニコル氏の初の長編で、初出は角川書店の野生時代ではなかったかと記憶している。この小説は20年がかりで12回書き改められたそうだが、のちに開高健氏との対談の中で指摘されているように、シンプルでディープな文体が特徴的で、極北の自然に相応しいと思える。恩師のピーター・ドライヴァーの助手として数次の北極探検を経験していることがベースになっている。ニコル氏は1940年ウェールズ生まれ。カナダで漁業調査局の水産哺乳類技師となり、調査捕鯨を担当。1975年、沖縄海洋博のカナダ館副館長として来日するなど日本との関わりを強め、和歌山太地を拠点に江戸時代の日本の捕鯨をテーマとした『勇魚』を執筆。のち日本女性と結婚し、長野県黒姫山の麓に居を構えて以来の活躍は周知の通り。1995年、日本国籍を取得。2005年、日英関係の発展に寄与した功績で大英勲章を授与される。手を入れられることなく荒れる一方の日本の山林を憂慮、私財を投じて森林を購入し「アファンの森」と名付けて森の再生に情熱を傾けた。2016年には同地に行幸された明仁天皇と美智子皇后(当時)の案内役を務めている。著述の傍ら日本に愛を注いできた、自称赤鬼が天に召される時が来てしまった。嗚呼。

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桜に雪

 東京地方は朝からの雨が雪に変わって、結構な勢いで降り続いている。屋根も真っ白に染まった。これは満開の桜と雪景色が撮れるのではないか?なかなかお目にかからない被写体だ。信州あたりならいざ知らず、東京では雪自体めったに降らないし。外出自粛を言われているが、近所の公園くらいならいいのでは、と撮影決行。池の側に植えられたソメイヨシノが雪を被って震えていた。

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善福寺川の桜

 陽気に誘われて、東京の桜も満開に近い。この週末は荒天が予想されていて、花散らしの雨になりそうだ。そうなる前にと、善福寺川界隈の桜を撮影してみた。カメラはLX100だ。暖かい日射しを浴びていると、コロナ騒動が信じられない。善福寺川緑地から尾崎橋にかけて、見事に咲き誇っている。満開まではもうちょっと。小池都知事からの外出自粛の要請があることだし、週末は部屋に籠るつもりだ。

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コブシとモクレン

 なかのZEROで所用を済ませた帰り。隣接の紅葉山公園の坂を下ると白いモクレンが目を射た。あまりに鮮やかだったので、思わずカメラを向けていた。モクレンのピークは短い。すぐに茶色く変色してしまうのだ。モクレンが咲いているならコブシも見頃かなと思いつく。ぐるっと回ってみると、果たして西側のコブシが満開だった。

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桜を見る

 桜が開花間近になっている。東京は今週末あたりかな。今年は上野公園などでお花見をするのも自粛だそうだし、皇居乾通りの通り抜けも中止だそうで。コロナウイルスの猛威が止まない。『願わくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ』西行法師の風流はとても望めそうにないのだった。

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メジロを撮る

 梅の花が満開、というよりピークを過ぎつつある。外を見下ろすと、たまたまメジロが来て蜜を吸っていたので、慌ててE-M1MarkⅡを持ち出して撮影。レンズは40-150mm F2.8にx1.4テレコンMC-14。単写だったので枚数を撮れなかった。やっぱり連写すべきだったかな。

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梅が満開

 二月も中旬になって、気温も急上昇。もともと暖冬気味とあって、梅の花が一気に綻んだ気配。環七沿いに自転車で走っていると、梅里公園の紅の花弁が目に刺さった。初めての場所だし、探検がてらぶらつく。名称通りに何種類もの梅があって見頃。赤いのは未開紅という品種らしい。LX100を持ち出して撮影。

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ベテルギウス

 冬の夜空に輝く星座の代表格といえば、オリオン座。その1等星であるベテルギウスが急速に減光、すわ超新星爆発の予兆ではないかとメディアが書き立てている。気になって、東京でも星がきれいに見える日を選んで観測。なるほど、肉眼で見ると暗くてオリオンの右肩にあたる部分がよく見えない。双眼鏡で見ると三つ星とM42星雲がぼやっと見える。月齢6.2の月が沈んでから、三脚にE-M1を載せて撮影。ライブコンポジットで短時間(40秒くらい)露光した限りでは、ベテルギウスは健在。変光星だから暗くなることもあるのだが、今回は異例に暗いというので天文学者の関心を呼んでいる。仮に超新星爆発ともなれば、満月のように輝くというのだが。それにしてもベテルギウスまでの距離は642光年もあって、今見えている光は642年前に発した光なのである。西暦でいえば1378年頃というから織田信長や武田信玄が戦っていた室町時代の話だ。時の流れの悠久ということを思わざるをえない。

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謹賀新年

 明けましておめでとうございます。新年は一体どういう年になるのか、毎年考えてみても現実は予測を超えてくるのだった。元日からゴーン被告海外逃亡というニュースが飛び込んで、日本の司法制度も威信が地に堕ちた気がする・・・。

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