甲斐駒ケ岳(2)

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 起床は午前3時半。1時間以内に身支度を済ませて出発したい。外はまだ真っ暗で、東の空からオリオンが上るところだった。寿命が迫ったべテルギウスをしばし見つめる。撮影するには高度がやや足りない。近くに三日月が輝いている。食事は尾西食品のエビピラフで済ませるが、これが結構旨い。後々の行程を考え早く出たいが初めての山なので夜明けを待った。5時15分出発。仙水小屋を過ぎ、樹林を抜けるとゴーロの斜面を左手に見ながら岩の上を歩いていく。北八ヶ岳のような雰囲気だ。仙水峠から眺める摩利支天が見事。ここから駒津峰までは前半の核心部分で急登が続く。昭文社の山と高原地図「北岳・甲斐駒」の標準時間2時間40分にほぼ沿って来ている。標高2750メートル。正面に中央アルプスと伊那谷を望み、左には北岳の三角錐、振り返ると富士山が頭を覗かせている。尾根道を辿って下ると鳥の鳴き声。木の枝にホシガラスが留っていた。やがて六方石に到る。巨石に寄り添って小休止。見上げると甲斐駒の山頂が圧倒的な存在感で迫ってくる。その傾斜の急であるのにたじろぐ。岩場に付けられたルートは遠くからは判別出来ない。直登ルートを行くか、巻き道かで悩む。先行者の姿に勇気づけられて直登を選択。はじめの岩場の取り付きが難関で足を置く場所に苦労。全身を折り曲げる感じで通過すると、後は目印に従って登っていくだけだ。谷川岳の西黒尾根相当の難易度だろうか。砂岩が崩れ易いので落石に注意する。9時55分、山頂の祠を拝んだ。標高2967メートル、360度の大展望を楽しむ。これが見たくてやって来たんだなあ。初めて見る南アルプス山脈。北岳、間ノ岳、塩見岳の勇姿。仙丈ヶ岳の優美な形も心を打つ。鳳凰三山の上に首を出す富士山。西には木曽駒ケ岳の後方に御嶽山の山塊。遥か彼方に北アと後立山連峰が雲の間に聳えていた。

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