2012年1月アーカイブ
オリオン座は冬の星座の代表格。夜も更けて家路を辿る時、南東の空に輝く道標だ。デジタルカメラマガジンの1月号でオリオン座の撮影法が特集されていて、興味深く読んだ。赤道儀に載せて撮るのは王道であって、銀塩時代にはポータブル赤道儀を製作したこともあった。最近ではTOASTやらPOLARIEという製品もあって、これなら登山時に携帯して山小屋などで撮れそうだ。三脚とカメラだけで固定撮影することも可能だ。空が暗いのが絶対条件になるが、ISO感度を上げ、F値が小さい明るいレンズを使えばデジタルカメラなら、短時間でもかなり撮れる。高感度ノイズが少ない機種が有利なのは当然。穂高に登った夜、涸沢で昇るオリオンを撮った。E-1と14-54だったが、空が暗いので露出25秒でもかなり星が写っている。昨夜は晴天で月光もさほどなかったので夜半にE-P2とOM100mmF2を持ち出し撮ってみた。住宅街だから何処にも街灯が煌煌と輝き、天体撮影に使えるスポットがない。辛うじて写野にハレーションが入り込まない地点を見つけたが、それでも空は明るい。ISO1000では液晶が真っ白になる。感度を400~250にまで下げ、露出も10秒と短くしてどうにか見られるレベルだ。OMの大口径レンズでもこの条件では苦しい。
NHKの教育テレビで天体がテーマの番組をやっていて、ベテルギウスが今年にも爆発するかも知れないという話を聞いて愕然とした。ベテルギウスのあの色は寿命が近づいて、超新星爆発が迫っているサインなのだ。その時空には第二の太陽が輝き、昼間も視認できると予想されている。数ヶ月に亘って夜空を飾ったのち、見慣れた星座の一角が欠ける。フラムスチード天球図譜に描かれた、棍棒を振り上げるあの姿はもう見られないのだ。子供の頃から熱く見上げ、何度も写真に収めたオリオン座。それを楽しめるのは今が最後なのかも知れない。
多摩モノレールに乗ったのはこの時期見られるというダイアモンド富士を撮るため。前回高尾山の不完全燃焼のリベンジだ。同社のHPの案内に従って柴崎体育館駅で下車。次の甲州街道駅との間がポイントになる(予定)。多摩川の土手から富士に沈む夕陽を心に思い描いた。駅から琴帯橋に出るのに残堀川遊歩道を通る。川面にカルガモが浮かんでいるのを見て、カワセミがいそうな場所だと気づく。周りを見渡すと、10メートルほど先の木陰に翡翠色の物体が。カワセミだ!なんと、本当にいた。人影も見当たらない。大急ぎでE-5を構える。レンズは50-200を持って来ていた。慌ただしくシャッター優先で1/1000前後で撮影。いつ飛び立つか分からないので細かくセッティングしてもいられない。ISO感度を400に上げるのがやっと。AFの測距点を11点から中央の1点に変更。ピンポイントで合わせる。するともう一羽やって来た。どうやらペアらしい。餌を狙って水に飛び込んだ。いきなりなので追随出来ない。連写モードに切り換える暇もなく、二羽とも飛び去ってしまった。ちょっと悔いが残った。カワセミの飛翔は撮ってみたかった。まあ、予定外なので致し方ない。
多摩川の川原は視界が開け、心配された低高度の雲もない。何しろこの日は快晴だった。予定時間まで中央本線の列車を撮って暇をつぶし、日没を待つ。16時30分頃、富士山の稜線に夕陽が落ち始める。ああ、しかし微妙に位置がずれているのだった(泣)。多摩モノレールによれば5日から11日がここでの見頃の筈だったが。5日だったらいけたかも知れない。天気は申し分ないのだったが、ロケーションでつまづいた。中々うまく行かないものだ・・・。
正月の映画はミッション・インポッシブルと聯合艦隊司令長官山本五十六が集客力を示したようだ。「シネマで見るならこれ」と選んだのはRAILWAYSの第二弾。舞台は島根の一畑電鉄から富山地方鉄道へ。富山地鉄は2009年11月に遠征しているものだから、懐かしいったらありゃしない(笑)。映画館のスクリーンで見る地鉄の映像は圧巻。富山の美しい田園風景に息を呑む。立山連峰を背景にチューリップや水仙、桜を前景に走る旧い車両が何ともいえない。