大事件になってきたオリンパスの財務問題。解任されたウッドフォード前社長と現経営陣の対立だが、7月に月刊FACTAの記事が出た時点で騒動の萌芽が見られた。その後事の推移を注視していたが、ここへ来て一気に企業存亡にも関わる問題に。オリンパスの株価は10月13日に2,482円(終値)をつけた後1,200円余りも暴落し、10月21日現在1,231円で引けている。大株主の構成を見てみると、1位は日本生命で22,426(単位千株)、8.26%(持ち株比率)。2位は三菱UFJ銀行の13,286(4.89%)。9位にテルモが登場、6,811(2.51%)となっている。テルモは時価で81億円余りを失い、テルモ自身も市場で売られる展開になった。オリンパス株を持っていた企業年金も損失を出している模様で、社会問題にも発展しそうだ。すでに機関投資家はオリンパス株の売却を始めている。仮に虚偽決算から上場廃止に追い込まれれば、影響は計り知れない。同社の内視鏡と医療関連部門は圧倒的なシェアを保っているものの、財務は脆弱であり市場から資金調達の道が断たれれば、存続は困難かも知れない。銀行自身が損害を蒙っている以上、追加融資も困難と見られる。不正事案に対する外部の目は厳しい。その場合、総売上への寄与が低い(映像関連は19.8%)オリンパス・イメージングのカメラ事業の行く末が微妙となる。フォーサーズ規格を提唱した時点までは時代の先端を走っていたと思う。しかし、パナソニックの参入を受けて、マイクロフォーサーズではむしろ後塵を拝するという展開は見ていられなかった。オリンパスはかつてOMマウントを廃止した過去がある。SLRはレンズやフラッシュ他の周辺機器を売ることでユーザーの囲い込みを計る。レンズ資産があれば、容易に他メーカーにチェンジ出来ないからだ。かつてのOM廃止に倣うが如くにフォーサーズマウントを開発中止し、女性顧客の獲得を目指してMFTに転身されたんでは、E-1時代から忠誠を尽くしてきたコア・ユーザーはやるせない。報道では、数百億円規模の使途不明金があるようだ。これでは、新製品の開発に金が回らなかったのも道理だ。イメージングの光学事業はパナに売られる可能性も。そうなると、パナに吸収されて捨てられた三洋電機の末路が瞼に浮かんで来てしまう。株価の暴落はそこまで見込んでいるのかどうか。
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