臨海副都心にある「船の科学館」は、気になる存在だった。東京ビッグサイトでの展示会に行く際、ゆりかもめの車窓から目に入るので、一度行ってみたいと思っていた。今般、9月30日をもってリニューアルのために閉館されることになった。同所の前面水域に係留中の青函連絡船『羊蹄丸』については、保存・展示を終了するということなので、これはぜひ撮っておくべきだと思った。昭和史を記録しておく、二度とない機会だ。
撮影は晴れた日の午後。気温が上昇、蒸し暑い。閉館まで、通常700円の入場料が200円という特別料金だ。とりあえず、船の形を模した本館に入場してみる。展示物はなるほど、ちょっと古くさい。5Fのデッキ部分に立って、羊蹄丸と南極観測船『宗谷』を俯瞰で撮ってみた。煙突部分にある、旧国鉄のJNRマークが誇らしげだ。本館の展示は飛ばして、宗谷の展示を順路に沿って見て回り、後部デッキから撮影。すぐに羊蹄丸に移動。年月を経た存在感に打たれる。羊蹄丸は、1965年の建造。就航以来の総航海距離は400万キロメートル、のべ旅客数1,178万人を運んだ。1988年3月、青函トンネルの開通に伴って引退。かつて、北海道から青森に鉄道旅行した折にはすでにその姿はなかった。実際に連絡船に乗った経験はないが、青森港に係留中の八甲田丸を見た記憶がある。羊蹄丸に乗船、船室などの展示を見学。昭和30年代の青森駅前を再現したという一画が印象的。甲板に出て撮影したりしている内に閉館時間が迫り、名残惜しく羊蹄丸を下船した。
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