2010年3月のダイヤ改正でJR西日本が保有していたキハ52 が大糸線から姿を消した。その内の1両キハ52-125がいすみ鉄道に譲渡されたことは暫く知らなかった。久しぶりにHPを覗いて、驚いたり喜んだり。しかも、旧国鉄色に塗り替えられ、4月末から観光列車としてデビューするという。この前、桜と菜の花を撮りに行ったばかりだが、そういう流れだからどうしても撮りたいと思った。
キハ52は4月29日から急行として運行される。撮影日は30日。JR外房線大原駅でいすみ鉄道に乗換え、上総中野行の普通列車に揺られて行く。車内にはキハを狙う撮り鉄が数人。西大原の大カーブ辺りの田圃には、カメラを構える姿が見られた。撮り鉄は国吉駅で大半が下車していった。国吉〜上総中川間の第二五之町踏切は有名。田園に踏切があるだけで、他に何もない空間。鉄道写真家中井精也氏も激賞する。周辺に夾雑物なしというのは滅多にないものだ。前回、あれだけ盛大に咲き誇っていた菜の花は、沿線に殆ど見られない。これはちょっと誤算。城見ヶ丘駅近く、大多喜街道の跨線橋から眺める菜の花に包まれた直線をイメージしていたのに。同駅で下車。大多喜〜大原区間を走る急行1号が来るまで時間がない。跨線橋からの構図は捨てて、先着の人が望遠で狙っている後ろで構えた。ここからは夷隅川の橋梁を渡る遠景から、勾配を上下して八重桜越しに接近して来る列車を撮れる。やって来たキハ52には「夷隅」というヘッドマークが飾られていた。
上りが去って、下りの急行2号が来るまで1時間半ある。当初、第二五之町踏切まで戻る考えだったが、ちょうど駅間の真ん中辺りで歩いて間に合うか微妙に思えたので、もうここらで撮ることにした。橋の下に咲く菜の花を前景にする構図も悪くはない。悩んだが、線路の反対側に出ると菜の花が残っている一画があって、ここから狙うことにした。「城見ヶ丘」の名称通り、菜の花越しに大多喜城を望める。 大原発大多喜行の急行2号には「きぼう」の字が躍っていた。
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