大井川に続いて、房総半島横断の旅に出た。「鉄道と桜」というテーマで追いかけているのだが、桜のピークは短いのでどうしても集中してしまう。去年は小湊鐵道の桜駅として有名な飯給駅を訪れたが、ちょっと早すぎて桜は撮れなかった。咲いた頃には磐越西線の旅に出ていたので、ピークを外した。それでどうしても今年は撮ってみたかった。
五井駅から小湊鐵道に乗車。日曜だし、天気もいいようなので予想通りの混雑ぶりだ。車内で「房総横断記念乗車券」を購入。車掌は女性だ。彼女の話によると、里見・飯給・月崎駅あたりの桜がお薦めらしい。上総牛久を過ぎて、里山区間に入る。「関東の駅百選」の上総鶴舞駅にかかると、ここもいい感じだ。カーブの先に白いコブシと桜が見えた。カメラマンが待ち構えている。ここでかなりの乗客が下車。やがて高滝を過ぎて里見駅。ここの桜も見事。よほど、ここで降りようかと悩む。しかし、上総中野まで行く本数も少なく、時間の制約があるのでターゲットは飯給と月崎と決めてある。
飯給駅で下車。ここも大勢の撮り鉄がひしめいている。駅前に水を張った田圃があって、水鏡になるので人気がある。いろいろアングルを探ったけれど、やっぱり水鏡の構図で撮ることに。周囲はびっしりカメラの放列。桜はというと、八分から九分といったところ。満開には二日ほど早いようだ。五井行きの列車がやって来ると、一斉にシャッター音が響き渡る。この一瞬を待つ、ドキドキ感が堪らないのだ(笑)。列車が去ると、静寂と虚脱したムードが漂う。
次の下りに乗って月崎へ。月崎で降りれば、時間的にいすみ鉄道は一箇所しか撮れない。覚悟して月崎で下車。ここの桜はちょうどピークを迎えていた。本数も多い。それだけに人も多い。撮り鉄というよりは、一般の家族連れが多い。構内では雑誌の撮影だろうか、モデルの女性がレフ板を当てられていた。ここは菜の花が凄い。駅も美しい。次の上りを撮ったら50分待たねばならない。
上総中野でいすみ鉄道に連絡。城見ヶ丘駅近くの跨線橋から菜の花に包まれた長い直線を撮る手もあったが、やはり時期的にいって桜絡みで撮りたい。それなら東総元駅がオススメというので下車。なるほど、ここのロケーションは素晴らしい。線路際の国道465号線から俯瞰でカーブを行く列車を撮れる。絶好の撮影ポイントだけあって、追っかけの車がずらり。東総元は去年まで開催の「レンゲまつり」の頃にしか知らなかったが、これほどのものとは。陽が傾き始めて、カーブの頂点のあたり以外は日陰になってしまう。ここで上総中野行きの列車を望遠で撮ってから、大原行きを待って外房線経由で帰路に。
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