敷島、津久田と進む上越線普通列車から眺める車窓は利根川沿いの彩りが鮮やかだ。前回、一ノ倉沢行きの時と同様、水上から9時56分土合着の長岡行きに連絡、長い階段を上って地上に出てみたが、紅葉は既に終わっていた。清水トンネルを出て来る上り列車を撮る積もりだったが諦め、土合踏切から土合駅にトンボ返り。地上にある上り線のホームから同列車に乗車。水上に戻った。駅前から関越交通の上毛高原行きのバスに乗車。諏訪神社前で下車すれば、諏訪峡大橋まではすぐだ。橋の下流側欄干付近には、早くも撮り鉄の面々が集まっていた。その一員に加わって待つ。SLの水上到着は12時04分だから、12時頃撮影ポイントを通過する。その前に高崎発の普通列車が来るので、それでシュミレーションしようと考えていたが。撮影者は続々増えて30名程にもなった。それだけ有名撮影地というわけだが、みんなが撮るということなら、一面ありふれたシーンともいえる。ちょっと迷いが生まれてしまった。結局、第二候補として考えていた下り線トンネル出口付近に移動することに。その途中、やはり数名の鉄が固まったポイントを見つけ、様子を見ると、中々にいい感じだ。紅葉の渓谷とSLを大きく撮れる。最終的にここを撮影地と決めた。やって来た普通列車で構図をチェック。気合いを入れて待つ。12時直前、煙と汽笛を響かせて「SLみなかみ」の登場だ。三脚のE-P1で動画を撮りつつ、E-5を構えて連写、また連写。SLは轟音と共に消え去り、後には余韻と虚脱した空気が漂う。
カメラを仕舞って諏訪峡大橋に移動、次にやって来る普通列車と特急「水上3号」を撮影。ここのポイントもそれはそれで美しい。撮影後、利根川沿いの遊歩道に下りて駅への道を、紅葉を愛でながら歩いて行く。温泉街に入る。何度も水上に来ていても、温泉に入ったことがない。一度入湯したいと考えていたが、「ふれあい交流館」という入浴施設を見つけ、550円を払って温泉で汗を流すことが出来た。源泉は周囲の旅館と同一らしい。泉質は「カルシウム・ナトリウム硝酸塩・塩化物温泉」、お湯は無色透明で匂いもなくぬめりもない。酒でいえば淡麗とでも形容するのか。
水上駅には、ちょうど特急「水上4号」が入線したところ。この特急には乗ったことがない。実は新前橋で特急「草津」と連結することからタイムロスがあり、水上〜高崎間は普通列車と所用時間が大差ない。高崎からは湘南新宿ラインの快速や快速アーバンもあるので使ったことがない。しかし、来る12月のダイヤ改正でこの「水上」も廃止される運命だ。最後の機会に違いないので、記念に高崎までの区間を乗車することに。実際に乗ってみると、185系200番台の車両は窓も小さくて現代の旅客には受けない感じだ。飲み物を置くテーブルも台もない。渋川までは乗客も少ない。これは草津と水上のネームバリューの差なのだろうか、直通の特急を失った後の水上温泉の未来を案じないではいられない。
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