秩父の名峰、武甲山に登った。臘梅を撮りに宝登山には登ったものの、これはロープウェイの待ち時間を避けるため予定外のもので、本格登山は去年11月の御岳以来。候補として瑞牆山の名もあったが現地へのアクセスに難があった。武甲山なら池袋から西武特急で横瀬まですぐに着いてしまう。自宅を6時過ぎに出て、横瀬駅には8時15分頃到着。横瀬から生川を経て武甲山。帰りは秩父鉄道の浦山口に至る15キロに及ぶロングコースだ。ガイドブックには所要時間7時間25分とあった。16時には下りて来れる計算だ。横瀬駅からは羊山公園に至るハイキングコースがある。早めに下って来れたら芝桜の丘に寄ってみたいという思惑もあった。
表参道コースの登山口である生川基点を目指して歩いて行く。生川沿いに石灰工場が幾つもあって、舗装道路を大型ダンプが走って来るし、工場の脇を通ると大音響なので決して好ましいものではない。宇遠橋を過ぎると砂利道になり落ち着いて歩いて行ける。やがて一の鳥居に至る。標高518M地点。山頂は1304Mだから標高差786Mだ。山頂の御嶽神社までは丁目石が据えられ、行程の案内をしてくれる。久しぶりの登山だからか、体がきつい。体調不全ということは決してないのだが、ペースが上がらず息が切れてしまう。足腰より心肺がついてこない感じだ。標高差786Mを一気に上るのは結構キツい。木曾駒の場合、千畳敷から山頂まで344Mだし、立山(雄山)でも室堂から山頂まで565Mを上がるに過ぎない。休み休み、ゆっくり登った。杉の大木が聳える「大杉の広場」まで上れば標高1000M地点だ。ここまで来ればほぼ目処が立つ。山頂まで50分ほど。
11時30分頃頂上に。山頂には御嶽神社がある。鳥居を潜って裏側に回ると展望台があった。ここから眺める秩父市街の眺望は素晴らしいの一言。息を呑んでただ見回すばかりだ。直下は石灰採掘場、その先には羊山公園の芝桜が遠望出来る。ひとしきり撮影して回り、神社前の広場で昼食。帰りは浦山口へ下る裏参道コースを辿る。こちらのルートは表参道に比べ人気が全くない。登って来る人は二、三人しかいなかった。殆どの行程が単独行なだけに熊の出没には気を遣った。長い下りは上り以上に足に応える。2時25分浦山口駅着。駅近くの木立の中でSLの警笛を聞いた。ここは前回パレオエクスプレスを撮った駅だが、惜しくも5分位の差で撮影し損なった。浦山口から秩父鉄道で御花畑駅へ。まだ時間が早いので芝桜を見に行くことに。これが意外に遠いのだった。西武秩父駅から2キロはあるだろうか。曲りくねった路を延々と歩かされてしまった。登山コースと合わせ20キロ近い全行程となってしまった(笑)。肝心の芝桜は見頃を過ぎて緑が目立って来ていた。ピークを過ぎているせいか、ゲートで入場料も取らずに開放していた。それでも遠望すればそれなりに綺麗だ。あるいは持って来たOM90mmマクロをE-P1につけて寄って撮ればボケボケで撮れる。芝桜の丘からはさっき登った武甲山の姿が美しく見えた。ゴツゴツとした武骨な山容だが、印象的な山だった。
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