翌朝は和倉温泉を発って氷見方面に向かう予定。残念ながら七尾〜氷見間は鉄路がない。鉄道に拘れば七尾線を戻るしかないが、恐ろしく遠回りになる。ここは素直に七尾駅から北鉄能登バスに乗った。能登半島の富山湾に面した海岸線を走るのは国道160号線だ。この日の天気予報は曇りのち雨ということで、寒いし海には白波が立っている。40分ほどで終点「脇」に到着。ここからは加越能バスに乗り換え、30分ほど先の氷見市に向かう。
「氷見の鰤」といえば余りに有名。バスの車窓から見る鮮魚店の店頭には見事な鰤が並んでいた。氷見市内の料亭などで出している「ブリのミニ会席」などに誘惑されずにはいられない。ブリしゃぶやブリ大根、刺身などのコースだ。心残りだが時間的にゆっくりしてもいられない。駅前の小さな食堂で「氷見うどん」を頼んだ。コシがあってこれはこれで美味。氷見駅は氷見線の終点だが気抜けする位小さな駅。入線して来た普通列車の1両は正面が「忍者ハットリくん」側面が「波間に跳ねるブリ」という意匠。氷見線随一の絶景地は、雨晴駅で下車して海に向かって歩いた所にある。見たいのは、何といっても義経ゆかりの雨晴海岸から富山湾越しに望む立山連峰だ。しかし雲は厚く垂れ込め、立山どころではなくなってしまった。海岸は波が荒くて、潮が満ちて来ると危ない位だ。海岸からの構図を諦め、国道の上から俯瞰する構図に切り換えて待つ。海鳥が舞う海岸ベリは強風が吹き付け、手がかじかむほど寒い。撮るのは下り列車で、国道から女岩を入れると追っ掛けの形になるのはやむを得ない。天気が悪いならいっそ大雪の方が美しいのだが。
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