蔵王を初めて訪れたのは一昨年の3月。スキーのメッカとあって、滑走を楽しむのは勿論だが、それ以上の目的だったのが有名な樹氷の撮影。別名「モンスター」とも呼ばれるその光景は不思議としかいいようがない。前回は山頂は雪だった。風も強くて猛烈に寒かった記憶がある。頬に容赦なく叩き付ける雪。当然、空は鈍色でモノトーンの世界。念願の樹氷を撮ったものの、見映えしなくて残念だった。この時のリベンジを果たしたいとずっと思っていたが、なかなか機会がなくて。蔵王は遠いしバスツアーの往復がきついのも要因だった。ツアーの場合早めに予約しなければならず、当日の天気は運まかせという不安もある。今回、週末に好天気が続きそうな上、気温が上昇傾向にあって雪質も微妙になりそうな情勢を見て決断した。スキーツアーではないが蔵王行きの夜行バスがあるのだ。日帰りで帰りは山形新幹線を使えばバスに長時間揺られるより遥かに楽だ。現地はしばらく降雪がないのか麓の積雪が少なかった。朝一番で蔵王ロープウェイの山麓線に乗車。海外からの観光客もいるので満員電車並みの混雑。山頂線に乗り換えると窓から見る景色は前回と大違い。青空バックに樹氷が美しい。
山頂線を降りると標高1661Mのザンゲ坂。ここまでは誰でも来れて、観光客がカメラを構えて撮りまくっている。樹氷は山頂直下が一番美しい。こちらもカメラを取り出して撮影。今回はE-P1とパンケーキの組み合せで。これだとスキーウェアのポケットにすんなり収まるのだ。これまでは山麓まではDSLRで、スキー場ではOptio W10の出番だったが。E-P1は動画もいけるので取っ替え引っ替えしなくていい。ザンゲ坂からユートピア・ゲレンデに至る樹氷原コースは夢のような美しさ。なだらかな傾斜を樹氷を眺めながら下ることが出来る。広大なスキー場だから全てのゲレンデを滑ったわけではないが、概ね雪質は良好。圧雪も行き届いていて。前回滑れなかったハーネンカムAコース・Bコースも体験。上部はコブの急斜面。そこから一気にダウンヒルコースになる。すっかり興奮。せっかくだから「横倉のカベ」と呼ばれる38度の急斜面も体験してみた。さすがにこれはハードバーン。青い三角屋根の「レストランとどまつ」で昼食を摂ると、もう時間が残り少ない。高速クワッドリフトに乗車、黒姫スーパージャイアントコースを滑って終了。山交バスターミナルから山形駅まで路線バスだが、待ち時間を利用してすぐ近くの共同浴場「下湯」へ。初めて蔵王温泉の湯を堪能。湯上がりにビールを流し込んで山形駅へと向かった。
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