「桜前線を追いかけて」という言葉がある。そのような旅はしたことがないけれど、今年は「紅葉を追いかける旅」を続けて来た。木曾駒ヶ岳から始まり、大井川鐵道まで紅葉前線と抜きつ抜かれつの競走を繰り広げた感じ。ちょうど紅葉のピークに当ったのは黒部峡谷のみ。あとは早すぎたり、もう終わっていたりとタイミングを掴むのが難しかった。いろんな情報にアクセスしてみたのだが、タイムラグがあったりしてどんぴしゃとはいかない。殊に高山の紅葉は一日、二日のうちにピークが来て、あっという間に過ぎ去ってしまうようだ。来年こそは、涸沢の紅葉を撮ってみたい。それ以前に、夏のうちに奥穂高岳のピークを極めてみたいとも夢想するが、どうなるか。
紅葉期の鉄道写真は大井川鐵道で終了の予定だったが、唯一心残りだった箱根の出山鉄橋を撮りたい思いが捨てきれず、箱根登山鉄道の乗客となることに。出山鉄橋を撮ったらとんぼ返りで新松田で降りて新松田鉄橋を撮る計画。小田急ロマンスカーのポスターにもなっている、有名な鉄橋だ。新宿〜小田原を往復する度に、気になっていて何時か撮りたいと考えていた。今回は近場なので10時頃に新宿駅を発つのんびりした旅だ。天気がよく、大気の透明度も高い稀な日だ。小田急線の急行の車内から純白の富士山の勇姿を見て、計画を変更。午前中に富士山と新松田鉄橋を絡めた写真を撮ることに。現場の酒匂川までは、駅を降りてすぐだ。
撮影地は松田惣領の、道路が90度曲がった川沿い。開成水辺スポーツ公園の対岸に位置する。うまいことに富士が背景に収まってくれる。急行やロマンスカーを上下線で撮れた。しかし、一番撮りたかった60000形のMSEつまり青いロマンスカーが接近中、何故かE-3が不調に。原因は不明。絞りの情報が表示されなくなり、とにかく撮ってはみたがホワイトアウト状態(泣)。本数がなく滅多に撮れないのに。レンズ(14-54)をつけ直して、何とか回復。うーむ、こんなことはあまり記憶がない。仕方なく30000形のEXEと50000形のVSEを撮ったところで切り上げ、新松田から急行で小田原へ。折よく1分の待ち時間で箱根登山鉄道の強羅行きに乗車。塔ノ沢で降りトンネルに消えていく列車を撮ってから旧東海道に下りた。徒歩20分ほどで出山鉄橋附近に到着。さすがにこの辺りでは紅葉は終わってしまっている。樹木の間から垣間見える鉄橋は構図を決めるのも困難。どうにか赤い葉を入れてそれらしい雰囲気で撮ってはみた。
帰りは風祭で途中下車。「鈴廣かまぼこの里」に寄って、「かまぼこバー」なるカウンターで「おまかせセット」を賞味。日本酒といきたいところだが、喉が渇いていたので地ビール(箱根ビール)とのセットで。
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