7月から8月にかけて梅雨の名残のような天気だったが、ここへ来てやっと夏らしい気配。夜になると意外なほど涼しさを感じる日もあるが、ここ数日は蝉の鳴き声の大合唱。行く夏を惜しむかのように、命の残り火を燃やし尽くすかのように、全身を震わせてその存在をアピールしている。
鉄道から花火まで何でも撮る、草食系ならぬ雑食系の自分であるけれど、意外なことに蝉を撮ったことはないのだった。ラベンダー絡みで蝶や蜂を撮ることは多いのだが。海野和男さんの著書「デジタル一眼レフで撮る 四季のネイチャーフォト」に影響され、この夏の形見として蝉の姿を残しておくことにした。いざ探すと中々その姿を視認するのも難しいものだが、どうにかアブラゼミを発見。その過程で抜け殻も見つけたので共々E-3とZD ED50-200mmで撮影。下から空バックで撮ると、空の明るさに引きずられシルエットになりやすいとの注意があったので、そうならないよう気を遣った。空と樹と蝉の組み合せは意外にポエティック。夏の一コマとして心に刻んだのだった。
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