Olympus 35

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 人形町のナオイカメラサービスに依頼していたOlympus 35の修理が上がったので、引き取って来た。福岡に帰った時、永らく放置してあった個体を連れて来たのだ。亡くなった父の形見で1953年発売のIVa型となる。まず、フィルム交換しようにも裏蓋が固くて外れない。レンズにもカビがあるが、何といってもシャッタースピードを選択するダイヤルが固着したかのように動かない。小川町のオリンパスのサービス拠点に持って行ったところ、部品が既にないことを理由に修理を断られてしまった。まあ、それは当然だけれどビンテージにはもっと他の対応があるかと思った。個体をバラして修理する際に、何かのパーツが(旧いので)壊れる可能性もあり、開けられないというのだ。職人気質が失われたということではないにしろ、最近の修理は概ね部品の交換で済ませているのではないだろうか。ひどければ個体を丸ごと交換ということになる。従って、部品のストックがなければどうにもならない。それは会社としても半永久的にパーツを保存するわけにもいかないだろうから、経営上の方針として理解は出来るのだが。ガラス製のフィルム圧板に欠損がある点にも難色を示された。フィルムを入れても傷がつくだろうというのだ。結論として市井のクラシックカメラの修理業者に預けるしかないということだ。少し寂しい思いを抱いて小川町を後にした。あまり費用が掛かるようなら諦めて飾り物にするしかない。WEBでカメラ修理の分野を調べ、東京でもアクセスが容易そうな人形町のナオイさんの所を選び、相談してみることにした。ネット上の評判も考慮した。ナオイカメラサービスは人形町の裏通りの雑居ビルの3Fにあった。件の個体を見せると、シャッターの分解に関しては問題ないし、圧板もフィルムの乳剤面に傷が付くことはないだろうとのことだったのでオーバーホールをお願いした。ナオイ氏はかなりの年配の大柄な方で、手狭かと思える店内は旧いカメラやパーツのストックで溢れ返っていた。やはり、カメラの修理には長年のキャリアとカメラ一般に対する熱情が必要なのではないだろうか。修理なったIVaはシャッターも軽やかに切れ、鮮やかに復活した。人形町からの帰途に新宿のヨドバシに寄って、モノクロとカラーフィルムを少し買い込んで来た。フィルムを買うのは何年ぶりだろうか。何だか妙に新鮮な思いがした。一応、フィルムスキャナーもあるのでDPEが上がったら画像をアップしてみたい。


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