横浜港山下埠頭に繋留され、永年にわたり一般公開されていた氷川丸が昨25日で営業を終了した。
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理由は修理のためとなっており、将来の営業再開を完全否定したものではないが、事実上の終焉と考えられる。子供時分から親しんできた氷川丸の最後の日とあって、堪らず駆けつけてしまった。ブリッジデッキの操舵室で質問に答えていた係員の話でも、営業再開は難しそうだった。それは、この日同時に営業終了したマリンタワーも同じだ。みなとみらい地区にはランドマークタワーなど集客力のある観光施設もあり、マリンタワーにとって手強い存在だ。しかし、マリンタワーに関しては2009年にかけてリニューアルする計画がある。
小学校高学年頃に横浜市に住んでいたので、山下公園は度々訪れたものだ。氷川丸には何度か乗船、客室などを見学して憧れた。当時からホテル代わりに宿泊するのも可能だったが子供の小遣いでどうにもなるものではなく、何時の日か宿泊出来る身分になるのを夢想した。氷川丸の後はマリンタワーにも立ち寄り、1階の売店で顕微鏡などを売っているのを熱く眺めた。光学製品にすっかり魅せられ、関内の有隣堂本店の三階辺りにあった科学製品売り場でレンズを購入したりした。天体望遠鏡も買ったが、反射鏡よりも屈折望遠鏡の対物レンズが好きでアクロマート・レンズのコーティングに見惚れたりした。何かレンズには人の魂を奪うような要素があるようだ。それは予言者が昔から水晶の玉を置いて未来を占ったこととも関連すると思う。そんなこんなの思い出をデッキに満載して、氷川丸は心の埠頭を離れた。
写真は氷川丸デッキからの眺め。灯台、マリンタワー、ホテル・ニューグランドと役者が揃った。
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