NHKの「美の壺スペシャル〜有田焼400年 器の宇宙」のオンエアを見てすっかり癒されてしまった。有田の陶器市や窯元巡りもしたことのある身としては、食い入るように画面に見入ったとしてもいたしかたない。番組では新井薬師梅照院で毎月第一日曜日に開かれる骨董市で、草刈正雄さんと木村多江さん向けに器を見繕う様子が紹介されていた。ちょうどその日に当たるし、穏やかな日差しが降り注いでもいるので出かけてみた。境内に入ると、なるほど骨董市を開催中だが出店数は多くはない。ターゲットは番組でも出てきた矢羽根の蕎麦猪口だが、結構なお値段であった。一方でお安いものは欠けがあったりしてイマイチの様子。放送直後とあって相場が上がっているのかな?購入はまたの機会にして、せっかく来たのでついでに哲学堂公園に向かった。周辺はいい感じに紅葉している。
哲学堂公園は、哲学者で東洋大学を創立した故・井上円了博士によって創設された公園。哲学世界を視覚的に表現したユニークな構成で、東京都に寄付されたのち今は中野区立公園になっている。二階建ての陳列所「無尽蔵」で収集物を見学し、六賢台という三層構造の木造六角塔に登ってみた。聖徳太子や菅原道真、荘子や龍樹を祀ってあり、神秘的な気持ちになる。窓からの眺望もよい。広場を挟んで反対側に位置する「三学亭」に登ってみる。石段を上がると三角形で構成された不思議な形の屋根が現れた。三学亭とは、日本古来の神、儒、佛の三道に関する著述の多い平田篤胤、林羅山、釈凝然の三者の石額を奉った場所らしい。ここから眺めるもみじの赤から朱色のグラデーションが圧巻。
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