野毛界隈

 横浜で会合があったので、その後桜木町に足を伸ばしてみた。野毛界隈はちょっと古びた趣があって好きだ(飲み助には堪らない街であるに違いない)。LX100のレトロフィルターで撮影。横浜には、子供の頃3年ほど住んでいた。科学好きだったので、紅葉坂の県立青少年センターには足繁く通った。当時は屋上にプラネタリウムと、五島光学の15センチ屈折赤道儀が鎮座していて、昼間は太陽黒点の投影などをしていた。残念ながら夜間の観望会には参加する機会が得られなかった。この望遠鏡で木星や土星の環を見たらさぞかしだったろう。いずれもすでに撤去されてしまったのが惜しまれる。

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紅葉坂から隣の関内までは歩いてもすぐだ。伊勢崎町の有隣堂の二階か三階に顕微鏡とかが飾られていて、天体望遠鏡の組み立てキットを買ったりして夢中になっていた。有隣堂本店は天文関係の書籍も充実していた。通りの数件先に松島眼鏡店があって、ここの二階に天体望遠鏡がずらりと並んでいた。それは圧巻で、高価な日本光学の8センチ屈折とか五島光学の製品が並んでいた。とても手の出る価格帯ではないのだが、光学レンズの輝きに魅了されて以来、今もレンズ好きであるのは変わらない。有隣堂の真向かいに野澤屋(のちにノザワ松坂屋から横浜松坂屋と改称)があって、母に連れられて買い物したりした。ここで正月の屠蘇器を買ったのを覚えている。野澤屋のビルはアールデコ調の美しいビルで、館内の装飾も凝ったものだった。横浜市は「横浜歴史建造物」に指定して保存を働きかけたのだが、耐震上問題があるという理由で解体されてしまった。

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