能古島の彼岸花

 能古島(のこのしま)は博多湾の中央にぽっかりと浮かぶ小島。福岡市西区姪の浜にある渡船場からフェリーで結ばれ、旅客は約10分で島に上陸できる。そんな気軽さから市民の行楽のターゲットともなっていて、夏場は海水浴やキャンプ、春や秋には島に咲き乱れる花を求めて訪れる人が絶えない。島の北部には「のこのしまアイランドパーク」があって、これからの季節は玄界灘を背景にコスモスの大群生がみられる。「火宅の人」を書いた作家の檀一雄が晩年を過ごしたことから文学碑もある。また万葉歌碑や能古博物館もあって、往時を忍ぶことができる。一口にいって、福岡市民に愛されてやまない島である。

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島には曹洞宗の永福寺というのがあって、ここに祖母の兄弟の墓がある。ちょうどお彼岸というので、島に寄ったのを幸いとお参りすることになった。ひっそりとした寺の境内には観音像や戦没者慰霊碑があって、彼岸花が供えられていた。達磨さんの表情との対比がよいと思ってこれを撮った。また参道の脇や周辺の野辺にも赤い群落が点在していた。有名撮影地とは違って、人影がないのがまたよい。

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