Photo Festa 2013

 E-5とフォーサーズシステムを抱えて、今後どうするのか?重い気分を抱えながらもE-M1を発表する新製品体感フェアに出かけた。とにかく実機にふれてから最終結論を出すつもりだ。会場のベルサール秋葉原B1Fに入ると、タッチ&トライのコーナーにはすでに行列ができていた。

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 やがて順番が来てE-M1を手に取った。E-5に慣れた手にはかなり小さく感じられる。小さいことがいいことだとは、必ずしも思わないのだが。質感は悪くはない。E-M5はダイヤル関係のデザインが論外だった。これも新発売の標準レンズ12-40mmF2.8との組み合わせで撮ってみる。コントラストAFの測距点は81に増えて合焦も速い。C-AFの追従はそこそこ。AFが合えば6.5コマ/秒でシャッターが切れる(S-AF時は10コマ/秒)。フォーサーズアダプターMMF-3をつけて90-250mmF2.8と150mmF2でBMXその他を撮ってみる。データを持って帰れるというので、手持ちのSDHCカードを入れた。ZDでは自動的に像面位相差にAFが切り替わる。C-AFでの合焦にはちょっと間がある印象だ。もったり感というべきだろうか。S-AFではそんなに悪くない。E-5とZDの組み合わせのようなキビキビ感はないようだ。再び12-40をつけてみる。専用設計だけにこれが一番だろう。マクロ的にも相当寄れるレンズだ。車のモデルを撮ってみた。EVFは236万ドットでストレスもなく明るい。ファインダー倍率は×1.48ということで広々した視野を得ている。MFTから入ったオリンパス・ユーザーにとっては最高の1台といえるかも知れない。

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 開発本部長のプレゼンがあるというので聞いてみた。E-5が発売された2010年頃からE-7とOM-Dの開発計画があったという。マイクロフォーサーズ機は日本とアジア諸国で一定のシェアを占めたが、欧米ではなかなか浸透しなかった。それがE-M5を発売したことにより好評を得たという話だ。そのことがむしろ、マイクロに統合していく流れを加速したようだ。統合するというのは他のラインを捨てるということに他ならない。すでにプリズムを生産するラインは撤去されたらしい。しかし、E-7が単なるモックアップではなく、ある程度完成に近いレベルまで行っていたなら、10周年の記念モデルとして発売してもよかったと思う。商売的に何台以上売らないとコストが合わないとかいう話ではなくて、不祥事を乗り越えここまでついて来たユーザーのロイヤルティに報いるという気持ちがあってもいいのではないか?銀行管理になって執行役員も派遣され、さらに他社からの融資も受けて苦しいという台所事情も分かる。現に苛烈なリストラの渦中であって、古くからフォーサーズを開発して来たメンバーは菊川体制の生き残りとして肩たたきにあったのかも知れない。しかしOMに続いて二度目のマウント放棄という辛酸をなめさせられたんでは、E-M1をどんなにブラッシュアップしようとも(どんなに高性能でも)、いつまた捨てられるか分からないという不安に駆られるのだ。統合という形のシステムに未来を託せるだろうか?