白峰三山縦走(4)

 三日目の朝。今日の行程は長いので、朝3時15分から活動開始。けれど星の写真を撮ったりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまった。湯を沸かして尾西のエビピラフで朝食。寝袋をたたんでパッキングを済ませるともう4時30分で慌てて出発。稜線からご来光と富士山を眺めつつ歩く。

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 西農鳥岳の登山道は強い風が吹いていて帽子を飛ばされそうになる。山稜の西側に回ると日陰になって涼しい。ここから中央アルプスや南アルプス南部をしばし眺める。西農鳥岳のピークから農鳥岳にかけては結構険しい岩場が待っていた。山頂からは大展望。ここまではいいペースで来ている。

 大門沢下降点からは急降下になる。大門沢小屋までは標高差1,000メートル余りを2時間半の予定。けれど下りが思いのほか足に応えるのだった。ハイマツ帯では直射日光に曝され、樹林帯に入ると急傾斜の蛇行で体力を消耗。たびたび休憩して水分補給するので遅れ始める。今回、XZ-2のほかにE-420と魚眼レンズまで持って来たので荷が重い。ザックのストラップが肩に食い込むのだった。大幅に時間超過して大門沢小屋に到着。水場でペットボトルに冷たい水を汲んで昼食も摂る。ここからは渓谷に沿って山道を下る。時に沢の水を掬って顔を洗うと生気が満ちてくる。滝や吊り橋も出てくる変化のあるコースだが、橋を渡るたびに下降と上昇を繰り返すのでつらい。延々と続く下りにすっかり心を砕かれて、やっと最後の吊り橋を渡る。車道に出てからもバス停は遠い。奈良田には温泉があるが、猛暑の中入浴という気分でもなく、周囲にコンビニどころか商店もなく、唯一あった自販機でサイダーを買って喉を潤した。

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