東北沿岸の旅(6)

 石巻から西に少し行くと東松島市である。沿岸部にある航空自衛隊松島基地が津波に襲われ、貴重な戦闘機やヘリコプターが流されていったショッキングな映像は記憶に新しい。2011年3月12日の九州新幹線全線開通を記念して、展示飛行をする予定であったブルーインパルスは福岡県芦屋基地に展開。しかし東日本大震災の発生により飛行が中止されたのは当然ながら、帰るべき基地も失い機体を九州に残したまま隊員は松島基地の復旧作業にあたったという。その後作業の進捗に伴って地方での展示飛行を再開。2013年3月30日、松島基地に帰還を果たした。

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 せっかく松島まで来たのだから、湾内のクルーズを体験しようという流れになる。桟橋から眺めると、五大堂や福浦島に架かる朱色の橋と緑のコントラストが美しい。しかしここもまた津波の被災地である。3月11日16時13分に第一波が到達、その後第二波・三波と襲われ、観光船も中型船2隻、小型船26隻が桟橋ごと流失。牡蠣棚、海苔筏、転覆漁船、家屋の残骸が海面を覆う惨状であったという。陸上にはヘドロが堆積し、無数の流出物が打ち揚げられていたが、行政と延べ2,000名に及ぶボランティアの尽力により日本三景を復興させることができたという。

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