再び氷見線を走る列車に揺られて行く。車内は通学の高校生で占められている。ローカル線の主役は彼らだ。学生なしにローカル線の存続は難しいと思われ。氷見線の起点、高岡駅で今度は城端線に乗り換え。フリーきっぷの南限である城端駅を目指す。せっかくの機会だから、世界遺産の五箇山を撮影する計画。
翌朝は和倉温泉を発って氷見方面に向かう予定。残念ながら七尾〜氷見間は鉄路がない。鉄道に拘れば七尾線を戻るしかないが、恐ろしく遠回りになる。ここは素直に七尾駅から北鉄能登バスに乗った。能登半島の富山湾に面した海岸線を走るのは国道160号線だ。この日の天気予報は曇りのち雨ということで、寒いし海には白波が立っている。40分ほどで終点「脇」に到着。ここからは加越能バスに乗り換え、30分ほど先の氷見市に向かう。
魚津、富山と過ぎて金沢には11時59分着。駅のコンコースでは引退する「北陸」「能登」を惜しんで有志が投稿した写真が飾られ、記念のコンサートが開催される直前だった。ちょうど昼食時分だし、近江町市場あたりで何か食べるつもりだったが、日曜日の正午は観光客で大変な混雑だろうと諦め、先に兼六園に回った。金沢は2回目だけれど、前回は駅から一歩も出ていないので市内を歩くのは初めて。歴史ある佇まいがそこかしこで見られた。北鉄バスを兼六園下で下車、坂を上ると右に金沢城の石川門の櫓が聳え、左手に兼六園入口がある。入場すると霞ヶ池越しに雪吊りと唐崎松という構図。ニュースなどで見慣れた景色だが、惜しむらくは雪景色でない。一面雪に覆われた、情緒深い様子をイメージしていたのだが。園内を散策、梅林の白加賀や「ことじ灯籠」を撮影して回った。雪のある頃にまた来てみたい。
永らく東京・上野と金沢とを結んで来た寝台特急「北陸」と急行「能登」が間もなく歴史を閉じる。その日、3月12日が近づくにつれ平常心を失い、胸を掻きむしられるような思いに襲われてしまった。「能登」には既に2回乗車。しかし「北陸」はたった一度しか乗っていない。これはやはりもう一度乗っておくべきかとの思いが嵩じて来た。それでJRのサイバーステーションで検索してみると、案の定土曜の上野発はすべて売り切れだった。日曜発はまだ幾らかあるようだがそれでは休みと合わない。せっかく金沢に行くならいろいろ行きたい処もある。上野を土曜深夜に発って、日曜早朝から金沢市内を歩き回れるのがウリだったのだが。仕方ないので、北陸の利用を帰路にしてみた。往路は越後湯沢からほくほく線経由だ。3月13日以降はこれが北陸〜東京間の基本的なルートになる。「北陸フリーきっぷ」を使うのは言うまでもない。このルートで行って金沢での自由時間を確保するには早朝、上越新幹線に乗らねばならない。それでも金沢着は昼頃になる。

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