昨夏、甲斐駒ヶ岳の山頂から眺めた北岳の姿が忘れられず、今年も南アルプスを目指した。白根御池小屋泊まりで北岳ピストンという行程も考えられたが、折角行くのなら間ノ岳も登っておくかと。そうなると農鳥岳にも足を伸ばしたくなるのだった。その場合、一泊目は肩ノ小屋(または北岳山荘)になる。
新宿発白馬行きの快速ムーンライトに乗れば、甲府に2時21分着。駅前のベンチで時間をつぶして、4時20分発山梨交通のバスに乗車、6時11分広河原着。金曜日の朝だが登山者が続々インフォメーションセンターに詰めかけて来る。野呂川にかかる吊り橋を渡って入山。広河原山荘の前で大樺沢方面の標識を確認して進む。二俣から右俣コースを登る計画だ。ところが途中にあった分岐を見落とすという致命的なミス。いつしか御池小屋への道を辿っているのだった。それでもいずれ同じ稜線に出るのは間違いない。こちらのコースは3時間位で休憩できる利点もある。この日はとにかく暑かった。甲府あたりは日々最高気温のレコードを記録中。池を過ぎて草スベリの急登は直射日光を浴びて目も眩むほど。少し登っては日陰を探してザックを下ろし、水を流し込む感じ。行っても行っても先が長いのだった。やっと草原を抜け、ハイマツ帯に出ると右俣コースとの合流点に「肩ノ小屋まで50分」という標識を見つけて安堵。小太郎尾根に立つと、甲斐駒や仙丈ヶ岳から中央アルプスの山々までくっきり見える大展望に圧倒される。午後これだけ見えるのは珍しいという。ここからは岩稜地帯を歩いて、やっとの思いで肩ノ小屋に着いた。標高3,000メートル。
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