KITTEからの眺望

 この3月、東京駅丸の内南口前にオープンしたKITTE(キッテ)が気になって行ってみた。旧東京中央郵便局の建物を改築した部分と新築部分からなるJPタワーのB1Fから6Fまでの7つのフロアで構成されている。食料品や衣料、雑貨の専門店のほか飲食店も出店するショッピングスポットだ。

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 中央郵便局時代のビルには少なからず思い出があった。しかし外壁と内部の保存区域以外はすっかり変貌を遂げてしまっている。1F入口から入って、まず圧倒されるのは6Fまでの吹き抜け空間だ。各階はそれを取り囲むように回廊の形で配置されている。東京駅前の一等地という土地価格を考えれば、なんとも贅沢な空間といえる。最上部にはトップライトが設置され、ここから入る柔らかい光がアトリウムを包む。6Fには屋上庭園「KITTEガーデン」が造られて、手すり際には利用客が鈴なりになっている。ここからの眺望は実に素晴らしい。東京駅丸の内駅舎と駅前広場ばかりでなく、有楽町方面の線路をも俯瞰する構図で眺められる。新幹線や東海道線、山手線などの電車がひっきりなしに行き交い、まるでジオラマを眺めるように楽しめる。

 各フロアのエレベーター付近にはソファが設置され、休憩にもってこいだ。店舗に関しては、雑貨類をざっと眺めたに過ぎないが、センスのよい品揃えに感心した。4Fでは旧郵便局長室を見学できる。特筆すべきは2Fと3Fに開設されている学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」だ。JPと東京大学が恊働で運営する博物館で、東大開学以来の蓄積である学術標本や研究資料の常設展示を無料で見学できるのだ。鉱物標本や鳥類の剝製、哺乳類の骨格など、面白いものが満載。期間限定の特別展示も興味深い。

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