磐越西線の旅③

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 会津若松15時25分発の「SLばんえつ物語」号は喜多方15時48分着。新潟には19時00分到着だから最長3時間半の旅程だ。これだけ乗ると実に乗り応えがある。喜多方からは2時間あまりの旅。入線後ひとしきり機関車を撮り終えると、すぐに発車時間。客車内はレトロな雰囲気を醸しながらも設備はモダン。空調なども行き届いており、売店や展望車も連結する。この点はクラシックな客車の大井川鐵道とは違う路線だが快適だ。


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 15時51分発車。汽笛と共に黒々と煙を吐いてホームを離れて行く。動き始めには連結器のガチャンという衝撃。これは久しく忘れていた感覚だ。スピードを上げながら周囲に大量の煙を吐き散らして行く。しかし沿線で孫を連れたおじいさんも嬉々とした表情でデジカメを向けている。手を振る人たちも。煙などは問題ではないって感じで集まって来る。勿論、ポイントでは撮り鉄が鉄ちゃんバーにカメラ満載で頑張っている。
 この異空間は何だろう。いま流れているのは特別の時間だという気がしてくる。開放感に満ちてくる。リゾートで味わう感覚か。SLってこんなに素晴らしい乗り物だったかな。知らなかった。いや、子供の頃に何度か乗った記憶はあるのだが。トンネルで煙に噎せた思い出も。しかし、それらは風化してしまっており現実の感覚とは遠かった。窓の外を白い煙が流れる。消えて行く煙の行く末を、振動に身を任せて眺めている。興奮して喉が渇く。しまった、ビールを買っておくんだった。しかし、心配無用。売店には普通の缶ビールもあれば、エチゴビールや「ばんえつ物語」オリジナルのビールも。せっかくだから、オリジナルビールを購入、隣りの展望車に移動。展望車では今日はペーパークラフト作りを体験出来る。子供たちが並んで順番を待つ盛況だ。車内ではピンバッジが当るじゃんけん大会も開催。けっこう盛り上がるし退屈しない。じゃんけんは弱くて2回のチャンスにも敗退。それでも森と水とロマンの鉄道「SLばんえつ物語」とプリントされた乗車手帳はもれなく配られる。
 野沢駅と津川駅はでは十分な撮影時間がある。特に津川では機関車の点検と水の補給が行われるため停車時間が長く、見学の設定がある。駅員が炭水車の石炭をならす様子も見られる。1回の運行で石炭5トンと水20トンを消費するという。馬下を過ぎると阿賀野川と別れ、新潟平野に下りて来る。車窓には田園の風景が流れて行く。夕暮れが迫り車体がオレンジ色に染まり始める。夜の帳が下りた頃に新潟駅7番ホームに入線。SLの旅が終わった。上越線や大井川鐵道でSLを撮影して来たが、乗って初めてその魅力が分かった。新幹線や高速鉄道にはない世界がそこにあった。それは流れる時間にゆったり身を委ね、時間を味わう感覚だ。一種のカルチャーショックに打たれた体験だった。

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