2008年11月アーカイブ
旅行券の使途はまだ決まっていない。季節は進んで行くし、取り敢えず近場を攻めておこうと奥多摩の御岳渓谷に向かった。都心からさほど遠くなく、それでいて渓谷美と紅葉も楽しめそうだ。最後にお楽しみも待っている。今日のお伴はE-510と標準ズームの14-54ミリ。それに望遠で70-300も。E-3にしようかとも思ったが、軽いし最近加えた機材をチェックするという意味合いも。
中央線に乗車、立川で青梅線に乗換えて青梅へ。接続を待ってさらに奥多摩を目指し、御嶽駅で下車すると渓谷は間近だ。多摩川に架かる御嶽橋から眺めるとすぐに目に入るのが見事な大銀杏。その下で川面を眺めながら昼食を摂って、ひとしきり銀杏を撮影。遊歩道を下りながら紅葉のポイントで主に楓を撮り歩いた。途中でカヤックが下ってくるのに遭遇。そう、御岳渓谷はカヤッカーのホームグラウンドなのだ。望遠に替えて連写。紅葉と川、それにカヤックという構図。川の流れに沿ってだらだら下り、寒山寺を過ぎて橋を渡ると小澤酒造がやっている澤乃井園だ。ここで休憩したり食事をするのが定番ということらしい。醸造元だけに酒の直売所もあるし、利き酒も楽しめる。喉を潤すのにちょうどいい。利き酒コーナーで純米吟醸「蒼天」を試飲。やや辛口で切れのある味。せっかくなので新酒「しぼりたて」を購入して帰路に。沢井駅まではすぐだ。
この秋、紅葉を撮りたいと思いつつも遠出を控えていたのだが。オリンパスがやっていた「秋の旅行サポートキャンペーン」に応募したところ、何と何と当選してしまった(苦笑)。これでは出掛けないわけにはいかないだろう。とはいえ、信州の山とかはもう紅葉も終わってしまっている気配であり、いきおい関東の近場ということになるが、1万円の旅行券をどう使ったらいいか、ちょっと悩んでしまっている(笑)。候補としては、箱根や養老渓谷なんてところだが。いっそ水上温泉あたりまで足を伸ばすかどうか。
米大統領選は民主党のオバマ氏が共和党のマケイン氏にダブルスコアで圧勝。初の黒人大統領の誕生となった。9月に表面化した金融危機が追い風になって、変革を望む国民が選択したのは経験が豊富とはいえない、未知数の若い指導者だった。政治が停滞し、国力が衰退している局面でオバマ氏に未来を託することが出来るアメリカのダイナミズムを感じた。何度も何度も裏切られ続けながら、自民党政権への未練を断ち切れない日本と何と違うことか。
勝利宣言の演説でオバマ氏が語ったのは、決して夢のある明るい未来などではなく、恐慌前夜といえる未曾有の金融危機への対処の心構えだ。「政府が何でも解決出来るわけではない、それでもわれわれが結束すれば乗り越えることが出来る(Yes,we can.)。米国の強さは、富や軍事力にあるのではなく、追い込まれた時に国民が発揮する勇気、忍耐力にある」と語ったその言葉に感銘した・・・。
チャンピオン決定を最終戦ブラジルGPに持ち越したフォーミュラ1の2008年シーズン。インテルラゴス・サーキットでの最終レースがあったこの日は、ポイントリーダーのL・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)にとっても僅差で追うマッサ(フェラーリ)にとっても最も長い1日になったことだろう。
レースはPPスタートのマッサが終始リード、ハミルトンは4位で追走。そのままゴールすれば2点差でハミルトンがチャンピオンに決定という展開で進行。ところがレースも終盤になってインテルラゴスに(文字通り)暗雲が漂い始める。各チームの天気予報では雨は確実な情勢。実際ラスト6周あたりで路面は雨に打たれ始める。この時、上位チームにレインタイヤに交換するかどうかで葛藤が生じた。このまま無理に走り続けて大雨になれば万事休する。ここで2位走行中のライコネン(フェラーリ)がピットインしてレインタイヤに履き替えると、3位以下の各マシンもそれに続いた。ハミルトンも勿論、レインを選択しピットロードを出てゆく。先行していたマッサも次周に交換、ピットアウト。これでチャンピオンシップに波乱はない筈だった。ハミルトンは追い上げて来たベッテルに躱され5位に落ちているが、それでも1点差でチャンピオンだ。ところが信じられないことが起きる。トヨタのグロックがタイヤ交換せずに突っ走るというギャンブルに出た結果、ハミルトンは6位に転落。これでは栄冠がマッサに渡るのだ。セナ以来のブラジル人チャンピオン誕生の瞬間か。しかも、舞台は地元ブラジルのインテルラゴス。フェラーリ関係者と会場を埋めた観客のボルテージは最高潮に。マッサがトップ・チェッカーを受ける。この時ハミルトンはまだ6位のままだ。手にしかけていたチャンピオンの座がするりと逃げて行く。ブラジルの歓喜。ところが最終コーナーでドラマは起こった。グリップを失って急激にスピードダウンするグロック。その脇をベッテルとハミルトンがすり抜けていく。何と何と、最後の最後に大どんでん返しが待っていた。史上最年少チャンピオンの誕生。昨シーズンの無念を晴らしたハミルトン。一方のマッサにとって、表彰台で浴びるシャンパンの味は苦いものであったろう。